EC物流が抱える課題とは？その解決策を提示！

2022年11月18日

• 物流お役立ち知識

ECサイトが主流となった昨今、注文した商品をいかにスムーズにお客様に届けられるかどうか、EC物流の整備が必須とされています。ただ、取り扱う商品が増えるなどして業務が増え、やり取りに時間がかかるといった課題が増えることがあります。そこでEC物流が抱える課題と解決のために知っておきたいことを詳しくご紹介します。

EＣ物流とは？

EC物流とは、商品やサービスをインターネット上で売買するEC事業者に必要となる物流業務のことです。一般的には法人から個人向けの出荷がメインとなります。顧客ごとの出荷点数は少ないため配送先は小口が多くなります。またギフト配送やラッピングといった個別対応が多いことも特徴です。さらにEC事業はインターネット上でやり取りが完結しますが、ネット上の店舗が数多くあるため複数店舗の在庫管理や発送作業が必要となります。工程としては「商品の入庫と検品」「保管」「ピッキング」「個別の流通加工」「梱包・検品」「出荷」があり、出荷は専門の配送業者に依頼することになりますが、配送にあたって日時や時間の指定があれば事前に指示をする必要があります。これらの過程を部署に分けて対応することがほとんどですが、いかにスピーディーに作業を進められるかによってECサイトの評価は大きく変わります。さらにC市場の規模は年々拡大しておりEC物流の抱える課題も増えているのが現状です。

ＥＣ物流の特徴

一個口が小さい一方で、配送先が多い

EC物流は、法人と法人（BtoB）ではなく法人と個人（BtoC）の取引がメインです。そのため一個口の商品点数・物量が少ないことがほとんどです。同時に多くの顧客とのやり取りをすることになるため、配送先が多いこともEC物流の特徴といえます。

顧客に応じた個別対応が必要になる

個別対応が必要になることが多いのもEC物流の特徴です。商品やサービスによってはギフトラッピングや名入れ、商品の組み立てといった顧客ごとに異なる対応が必要です。また注文された商品に合わせたチラシやカタログの同梱、顧客の利用履歴に合わせた挨拶状やノベルティを入れる、納品書や領収書の作成・封入の対応も必要となることがあります。

返品になるケースが多い

商品を直接確認することができないECサイトでの買い物は、実店舗と違い返品が多いことも特徴のひとつです。また商品によってはちょっとした傷や汚れがあった場合は交換を求められることも少なくありません。特に配送時の外箱の破損といったECサイトとは直接関係ない部分でも返品されてしまうこともあります。

EC物流が抱える課題とは？

①人手不足によるヒューマンエラー

人手不足が原因でヒューマンエラーが起きやすいことがEC物流ならではの課題のひとつです。先にご紹介したように、EC物流では小口の配送がメインで配送先が多いのが特徴です。物流に人員が割けないといった人手不足に悩む企業も少なくありません。またECサイトの拡大や店舗が増えたことで受注が増え、作業員の手が足りなくなってしまったというケースもあります。作業でミスが発生すると配送や梱包のミスで返品となり、さらに作業が増えるといった悪循環につながってしまいます。

②繁忙、閑散の波がある

取り扱う商品にもよりますが、繁忙や閑散の波が大きく対応が難しいこともEC物流の課題です。特に季節によって出荷数が増減する商品を販売している場合、繁忙期や閑散期に合わせた人員配置が難しくなります。また物流に専門部門を置かず社員が通常業務と並行して物流業務に対応している小規模な企業の場合、繁忙期には人員が足りず通常業務に支障をきたしてしまうといった事態にもなりかねません。

③在庫管理に手間がかかる

ECサイトでは取り扱う商品が多く、在庫管理に手間がかかることも課題となっています。取り扱い商品が多いことはショップの魅力にもなりますが、サイズやカラー、容量といったバリエーションが豊富な商品だとその分在庫管理の手間が増えてしまいます。品切れしている商品が把握できておらず顧客からのクレームが発生すれば店舗の評価が下がってしまいます。在庫が増えれば作業上のミスが増えてしまうことにもつながりかねないため、早急な対応が必要です。

④受注から発送までに時間と手間がかかる

受注から発送まで時間と手間がかかることもECサイトの課題となっています。実店舗であればその場ですぐ支払いと商品の受け渡しが可能ですが、ECサイトだと注文から代金の支払い、商品のピッキングから梱包して配送と多くの作業が必要です。ただECサイトの利用者はすぐに商品を必要としていることが多く、配送のスピードによって購入先が選ばれてしまうことも少なくありません。早く対応ができてもミスが多ければ評価が下がることになってしまうため、工程をいかにスムーズにこなすかが課題ともいえます。

⑤イレギュラーな対応が必要になる

EC物流では様々なイレギュラーに対応することが求められます。特に返品や交換の要望が多いため、顧客から連絡があればすぐに手配作業をしなければなりません。また商品に不備があった場合の対応や要望に対応するカスタマーサービスもEC物流では大切な作業のひとつです。ただ対応にはどうしてもリソースが取られてしまうため、人員不足の現場では大きな課題といえます。

⑥コストがかかる

EC物流には様々なコストがかかることも課題のひとつです。自社で物流を管理する場合、在庫を保管する倉庫や梱包等の作業場の確保、ラッピングや緩衝材といった配送に必要な物品の購入など様々なところで費用がかかります。人件費はもちろん、配送も自社でする場合はトラックの購入や維持にも費用がかかり、売上が上がると同時に金銭的負担が増え続け会社運営に支障が出る可能性もあります。

EC物流の課題を解決する方法を解説！

ECサイトの事業者が抱えているEC物流の課題を解決する方法として、以下の2つが挙げられます。詳しく見ていきましょう。

解決策①物流アウトソーシングの活用

EC物流代行サービスとは？

EC物流代行サービスとは、物流に関わる業務を代行するサービスのことです。サービス内容は代行会社によって違いはありますが、商品の入庫や検品、管理保管、ECサイトの受注処理から発送手配、返品交換の処理などを引き受けます。代行会社では自社倉庫を持っている場合と別に倉庫を借りている場合とがあり、そのため保管倉庫に入らない大型の荷物に対応していない、逆にスペースの問題で多くの商品に対応できないといったこともあります。ユウサイでは自社倉庫があり、大型荷物から小ロットまで幅広く対応可能です。中小企業や個人事業主はもちろん、スタートアップでECサイトが今後拡大する可能性がある会社にも柔軟に対応できますので安心してご利用になれます。

EC物流代行サービスのメリット

EC物流代行サービスを利用するメリットは、物流に関わるコストを削減し物流を効率化できることです。物流に関するプロが代行してくれるので、物流に関わる人材を用意したり育成したりすることが必要ありません。自社で物流に対応する場合、事業が拡大した場合に人員が追いつかず発注ミスといったトラブルが増加する可能性があります。代行サービスを利用していれば商品管理や発送のミスを減らすことができ、物流にかけていたコストを自社事業へ投入できるようになります。

解決策②倉庫管理システム(WMS)の導入

倉庫管理システム(WMS)とは？

倉庫管理システム（WMS）とは、倉庫の入荷から出庫までの一連の業務を管理するシステムのことです。英語ではWarehouse Management Systemといい、頭文字をとって「WMS」とも呼ばれます。人の手で作業するのではなく機械に任せるため、人件費が削減できることに加え管理ミスを減らしトラブルを未然に防ぐことになります。

倉庫管理システム(WMS)のメリット

倉庫管理システム(WMS)を導入するメリットとしては、「物流業務の効率化が図れる」ことと「コストを削減できる」ことが挙げられます。入荷や出荷、返品で常に変動する在庫を管理することができるので、効率的な発注管理が可能となります。システム導入で誰でも作業ができるようになるため、人件費が抑えられ倉庫管理にかかっていたコストを削減することにもつながります。

まとめ

ECサイトを利用する人が増え、EC物流の規模も拡大しつつありますが同時に物流に関する課題も増加しています。企業で物流まですべてカバーすることは難しく、コスト削減のためにも物流面はアウトソーシングやシステムの利用を積極的に導入することを考える必要があります。ユウサイでは通関から出荷まで一括対応をしており、企業規模に関係なく委託を行っており将来の事業拡大にも対応可能です。課題解決のためにもぜひお気軽にご相談ください。