デバンニングとは?意味や費用相場、発送代行におけるポイントは?

2024年03月08日

発送代行の見積書に書かれた「デバンニング料」という項目。見慣れない言葉を見て、「デバンニングとは?」「デバンニング費用の相場はどれぐらい?」と、首をかしげるEC事業者も多いのではないでしょうか?

本記事では、「デバンニングという言葉を見聞きしたけど、よく分からない……」という方のために、デバンニングの意味や料金、費用相場などについて解説します。

デバンニングとは?まずは基本を解説

デバンニングとは物流用語で、「貨物をコンテナから降ろす作業」 のこと。物流関係者の間では、「デバン」と略されることもあります。

海外からの仕入れ品は、箱型のコンテナに入って届くことがほとんど。港に届いたコンテナを倉庫や工場などに運び、貨物を荷降ろしする作業が「デバンニング」です。

デバンニングの基本(1)「フォークリフト」もしくは「バラ手降ろし」

デバンニングの作業には、「フォークリフト」「バラ手降ろし」の2つの方法があります。

パレット(荷役台)に載った状態で届いたものは、フォークリフトで降ろします。一方ケースのみで積みつけられて届いたものは、一つずつ手降ろしします。

デバンニングの基本(2)「バラ降ろし」もしくは「パレット降ろし」

デバンニングとはコンテナから貨物を降ろす作業ですが、「バラ降ろし」「パレット降ろし」の2種類に分かれます。

▼バラ降ろし
手作業で、荷物を一つずつ荷降ろししていく方法のこと。作業時間や手間はかかりますが、より多くのケース数を積めるため、1ケースあたりの輸入コスト減につながります。

▼パレット降ろし
荷物をパレットに積みつけたまま、パレット単位で積み上げていく方法のこと。作業時間や手間は減らせますが、すき間ができてしまうのでコンテナに積める数が減り、1ケースあたりの輸入コスト増につながります。

デバンニングの基本(3)デバンニングとバンニングの違い

デバンニングとよく似た言葉に「バンニング」があります。

・デバンニング・・・・・・・貨物をコンテナから降ろす【輸入】
・バンニング・・・・・・・・・貨物をコンテナに積み込む【輸出】

このように、デバンニングとバンニングの違いは、荷物を「降ろすか?積むか?」ということです。

デバンニングの料金は?費用相場を紹介

デバンニング料金の相場は、コンテナ1本あたり「2万円〜4万円」。主に「どのサイズのコンテナで運ばれたか?」で変動します

常温の商品を運ぶ「ドライコンテナ」は、大きく分けて2種類。それぞれのデバンニング費用相場は次の通りです。

・20フィート(約6m)・・・・・・・・・・2万円~3万円
・40フィート(約12m)・・・・・・・・・2万5千円~4万円

ここに挙げたデバンニング料金は、あくまで目安です。商品の種類によっても異なりますし、手降ろしだと手間がかかる分、フォークリフト作業より高くつきます。

ほかにも「小さくて降ろす数が多い」「仕分ける種類が多い」「一つの荷物が重すぎて、一人では降ろせない」などの場合は、割増料金が必要になる可能性があります。

「デバンニングは大変な作業」と言われる理由

もしかすると「デバンニングは大変」という話を、見聞きしたことがあるかもしれません。主な理由を3つ紹介します。

(1)体力が必要

デバンニングは体力が必要な作業です。

コンテナ内には、天井までぎっしりと荷物が積み上げられています。中には重いものもあり、特に上段から降ろすためにはかなりの力がいります。しかもコンテナ内は空気がこもりやすく、夏場は気温も上昇。熱中症対策が欠かせません。

こうした事情があるため、あくまで傾向としての話にはなりますが、若くて元気なスタッフが揃っている倉庫だと安心です。

「年配のスタッフが多いので、コンテナからの荷降ろしは無理」「倉庫スタッフが高齢化しており、大型家具は扱えない」と、年齢層を理由に断られるケースもあると聞きます。

若くて体力のあるスタッフが多ければ、重たい荷物でも対応可能。しかも、よりスピーディに荷降ろしできる可能性が高くなるはずです。

(2)大切な商品を扱う

貨物は商品となるものばかり。当然ながら慎重に扱う必要があります。足場の悪い中で破損しないように荷降ろしするためには、細心の注意を払わなくてはなりません。

時には、コンテナの扉を開けると、貨物が雪崩のように崩れ落ちてくることも。

というのも、コンテナ輸送の海上運賃はコンテナ単位で決まるため、なるべくたくさん詰めた状態で運ばれてくるのです。すると扉を開けた途端一気に……となるので、最初から気が抜けません

ほかにも「コンテナに穴が開いてて、中の商品が水浸し」「パッキングリストの内容(種類や数)と相違がある」といったケースも少なくありません。

こうした場合は特に、入庫検品を念入りに行い、必要に応じて写真を撮影。さらには報告する工程も必要になります。

(3)制限時間がある

時間が限られているのも、デバンニングの大変な点です。

空になった輸入コンテナは、船会社の持ち物。フリータイム(無料保管期間)内に返さなくてはなりません。

期限を守れなければ追加料金を支払う必要があり、これを「デマレージ」(超過保管料)といいます。

このフリータイムの間に、デバンニングの時間を確保するわけですが、デバンニングは「2時間」が一般的。約束の時間を過ぎると、港に届いた海外コンテナを陸送してきたドレージ業者に延滞料を払わなくてはなりません。

しかも返却前には掃除して、コンテナ内の破損個所を確認し、写真撮影も必要。デバンニングとは体力がいるだけではなく、慎重かつ丁寧に、しかも決まった時間内に多くの工程をこなさなければいけない作業なのです。

発送代行でデバンニングを依頼するときの注意点

ここまで「デバンニングとは?」という内容を見てきました。最後に、発送代行におけるデバンニングの注意点を紹介します。

デバンニングの注意点(1)「バラ降ろし」を断られる場合がある

「デバンニングの基本」でお伝えした通り、デバンニングには「バラ降ろし」と「パレット降ろし」があり、バラ降ろし可能であればコスト削減につながります。

ところが手間がかかるため、倉庫によっては「バラ降ろし」不可の場合も。発送代行サービスを選ぶときは、「バラ降ろし対応OKかどうか?」を聞いておくことをおすすめします。

デバンニングの注意点(2)港から遠いと「ドレージ費用」がかさむ

倉庫の立地にも注意しましょう。というのも港から遠いと、陸送するための「ドレージ費用」が高くつくためです。

当然ながら、港から倉庫までの距離が長くなれば長くなるほど、ドレージ費用は高くなっていきます。するとデバンニング料金が安くても、ドレージ費用によってトータルコストが上がってしまうのです。港から近い倉庫を持つ発送代行サービスを選ぶことをおすすめします。

デバンニングの注意点(3)時間帯の融通が効かない倉庫も

時間帯の融通が効かない倉庫もあるため、注意が必要です。

たとえば作業をルーティン化している倉庫だと、「9時にしかデバンニングしない」と時間を限定しているケースが見受けられます。

またコンテナを運んできたトレーラーの駐車スペースが狭い倉庫も、受け入れに限りがあり、「時間の融通が効かない」「断られる」場合も多いと聞きます。

時間帯の幅を広げるためにも、トレーラーの駐車スペースが広い倉庫が理想。その上で、入庫日や時間帯など柔軟な対応をしてくれる発送代行サービスを選ぶことをおすすめします。

まとめ

デバンニングとは、海上コンテナから貨物を取り出す作業です。時間制限がある上に体力も精神力も求められるため、十分な人員確保や熟練した技術、システム整備が必要になります。

ユウサイのEC物流代行サービス「サクロジ」では、若いスタッフを中心に、大型家具のような重い商品のデバンニングにも対応。「SKUが多い」「積まれた商品ケース数が多い」などにも対応可能です。

なお関東圏と関西圏にトータル約5,000坪の倉庫を構えており、いずれも港や高速道路の出入口近く。ドレージ費用を抑えることができますし、トレーラーを停めるバースも広いため、2本同時に降ろすことも可能。コンテナからのバラ降ろしも対応できます。

発送代行サービスをご検討中のEC事業者様は、まずはお気軽にご相談ください。

ユウサイのEC物流サービスについて、詳細はこちらをご覧ください。

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